皆さんこんにちは。
愛知県名古屋市を拠点に内装工事を手掛けております有限会社コーシンです。
飲食店を開業する際に、「グリストラップは絶対に設置しなければならないのか」「設置しないとどんなリスクがあるのか」など、疑問や不安を抱えている人もいるでしょう。
実は、グリストラップの設置は複数の法律や地域の条例によって定められており、未設置のままでは配管の詰まりや悪臭の発生といったトラブルを引き起こすだけでなく、営業許可が下りない事態にもつながります。
この記事では、これから飲食店を開業する方に向けて、グリストラップの設置義務や関連する法令、未設置で生じるリスク、最適な設置場所の選び方から依頼先までを分かりやすく解説します。
安全で清潔な店舗づくりを目指すオーナー様や店舗管理者はもちろん、内装工事の準備を進めている方も、ぜひ参考にしてみてください。
■設置義務の有無と法律

飲食店を開業する際、厨房から出る排水をきれいにするためのグリストラップ(油脂分離阻集器)の設置は、店舗の衛生と周辺環境を守るために欠かせません。国が定める法律や各自治体のルールによって、設置が厳しく求められるケースがほとんどです。
・関連する3つの法律
飲食店の厨房から出る排水には、油や食材のゴミが多く含まれます。そのまま下水に流すと配管が詰まり、水質を悪化させる問題が起きます。そのため、日本では主に3つの法律でグリストラップの設置基準が定められています。
1つ目は「建築基準法」です。国の基準により、配管を詰まらせるごみや油脂を含む排水を流す場合、阻集器(油やゴミを分離・回収する装置)を設けることが定められています。
2つ目は「下水道法」です。店舗から公共の下水道へ排水を流す際の水質基準が定められており、油まみれの排水を直接流すことは禁止されています。
3つ目は「水質汚濁防止法」です。自然環境を守るため、汚れを含む排水を規制しています。規模の大きな施設ほど厳しい基準が適用されますが、すべての飲食店が環境への負担を減らす設備を持つことが求められます。
・愛知県などの条例と基準
国の法律だけでなく、店舗がある地域の自治体が独自に定める条例にも注意が必要です。多くの自治体では、下水道条例等で「油脂類を多く含む排水を流す施設には、グリストラップを設置しなければならない」と義務付けています。
例えば愛知県名古屋市の下水道条例施行規程でも、飲食店に対して油を取り除くための阻集器を設けるよう明確に規定しています。地域の基準を満たさない装置を取り付けてしまうと、後から工事をやり直すリスクがあります。事前の手続や届出が必要な場合もあるため、管轄の窓口で状況を確認することが重要です。
・営業許可への影響
グリストラップの設置は、保健所から飲食店の営業許可を取得する際にも大きく影響します。開業するには、施設が衛生的に保たれる構造になっているか、保健所の検査をクリアしなければなりません。
厨房の規模に対して処理能力が小さすぎるトラップが設置されていたりすると、指導対象となります。最悪の場合、改善が完了するまで営業許可が下りず、予定していたオープン日に間に合わない事態になりかねません。
また、日々の清掃でバスケットのごみを回収し、浮いた油脂の除去といったメンテナンスを行う方法も問われます。スムーズに許可を取り、開業後のトラブルを防ぐためにも、内装工事の段階から専門業者に相談して適切な設計を行うことが不可欠です。
参考サイト:e-Gov法令検索「建築基準法施行令 第129条の2の5」
参考サイト:名古屋市上下水道局「グリース阻集器(排水に含まれる油脂等を排除する装置)の設置基準はあるのですか。」
■未設置で生じるリスク

グリストラップを設置せずに飲食店の営業を続けると、店舗の運営に関わる大きな問題がいくつも発生します。ここでは、法律や条例違反といった問題だけでなく、実際に店舗で起こりうる3つの具体的なリスクについて詳しく解説します。
・排水管の詰まりと逆流
厨房での調理や食器洗いからは、毎日大量の油や食べカス(ごみ)が出ます。これらを分離・回収する装置がないまま排水口に流し続けると、冷えて固まった油脂が排水管の内側にどんどんこびりついていきます。
例えば、血管にコレステロールが溜まって血液が流れなくなるのと同じように、排水管もやがて完全に詰まってしまいます。その結果、行き場を失った汚水が厨房の床に逆流し、営業を一時ストップせざるを得ない状況に追い込まれるリスクがあります。
・悪臭や害虫の発生
グリストラップがない状態で排水管に油脂や生ごみが蓄積すると、それらが腐敗して強烈な悪臭を放つようになります。この臭いは厨房内だけでなく、客席にまで漏れ出してしまうことがあり、お客様からのクレームやお店のイメージダウンに直結します。
さらに、腐敗した汚れはゴキブリやコバエといった害虫、ネズミなどのエサとなり、これらが大量発生する原因にもなります。飲食店にとって衛生環境の悪化は致命的であり、店舗の清潔さを保つためにも適切な設備による処理が不可欠です。
・水質汚濁と損害賠償
未処理の油まみれの排水をそのまま公共の下水に流すことは、川や海の水質を悪化させる深刻な環境問題を引き起こします。そのため、水質汚濁防止法などの法令で厳しく規制されています。
もし、自分の店舗から流した油が原因で公共の下水道管を詰まらせたり、下水処理施設に過度な負担をかけたりした場合、原因者として自治体から清掃費用や修理費用の請求を受ける可能性があります。経営に大きな打撃を与えるトラブルを防ぐためにも、グリストラップを設置し、定期的な清掃といったメンテナンスを行うことが重要です。
■最適な設置場所の選び方

グリストラップは一度設置すると後から移動させるのが非常に困難な設備です。そのため、内装工事の段階でどこに配置するかを慎重に決める必要があります。ここでは、店舗の環境に合わせた場所選びのポイントを解説します。
・厨房内の配置と作業動線
多くの飲食店では、厨房の床下に埋め込む形でグリストラップを設置します。この方法はシンクから近い位置に設置できるため、排水が冷えて油が固まる前に装置へ流れ込みやすいというメリットがあります。
しかし、配置する場所を間違えると日々の業務に支障が出ます。例えば、コンロや冷蔵庫の目の前など、スタッフが頻繁に行き来する作業動線の真ん中に設置してしまうと、忙しい時間帯につまずくリスクがあります。
また、フタを開けて清掃する際に、周囲の清潔な調理スペースに悪臭や汚れが飛び散る問題も起こり得ます。そのため、シンク下や厨房の隅など、作業の邪魔にならず、かつ定期的なメンテナンスがしやすい場所を選ぶことが重要です。
・屋外に設置するケース
店舗の敷地に余裕がある場合や、大型の飲食店では、厨房の外(屋外)にグリストラップを設置するケースもあります。屋外に設置する最大のメリットは、衛生面と日々の清掃のしやすさです。
清掃のためにフタを開けても厨房内に悪臭が漂う心配がなく、専用の清掃業者が店舗の中に入らずに作業できるため、お客様の目や調理環境を気にする負担が減ります。一方で、厨房から屋外までの距離が長いと、排水が流れる途中で油が冷えて固まり、配管が詰まりやすくなるというデメリットもあります。
■設置工事と清掃の依頼先

グリストラップの設置や日々のメンテナンスは、飲食店オーナーが一人で抱え込むには専門的すぎる部分が多くあります。ここでは、設備を安全に導入し、清潔に保つための適切な依頼先について解説します。
・設置は専門業者へ相談
グリストラップの設置は、単に装置を置けば良いというものではありません。各自治体の条例や保健所の基準を満たし、店舗の規模に合った適切な容量のトラップを選ぶ必要があります。容量が小さすぎると油が分離しきれずに公共の下水へ流れ出てしまい、大きすぎると悪臭の原因になります。
そのため、法令の知識を持ち、飲食店の内装工事に慣れている専門業者へ依頼することが不可欠です。専門業者であれば、作業動線を踏まえたレイアウト提案から、役所への手続や事前の届出サポートまで任せられるため、安心して開業準備を進めることができます。
・定期清掃の委託先
グリストラップを設置した後は、毎日のバスケットのゴミ取りや浮いた油脂の除去など、スタッフによる日常的な清掃が必要です。しかし、底に沈んだ汚泥(ヘドロ)の除去や、こびりついた頑固な油汚れの清掃を自分たちだけで完璧に行うのは大きな負担となります。
こうした専門的なメンテナンスは、産業廃棄物収集運搬の許可を持った清掃業者に定期的に依頼することをおすすめします。プロの機材を使って徹底的に回収してもらうことで、悪臭や害虫の発生リスクを大幅に下げられます。
また、回収した油脂やごみは「産業廃棄物」として法律に基づいた適切な処理が義務付けられているため、必ず自治体の許可を受けた信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
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有限会社コーシンは、愛知県名古屋市を拠点に東海3県(愛知・岐阜・三重)で内装工事全般を手掛けており、地元の店舗事情や法令・条例に精通した施工をご提供しています。スケルトン物件・居抜き物件問わず、限られた予算とスペースの中で機能性とデザイン性を両立するプランニングが可能です。
当社は業界経験30年以上の代表をはじめ、熟練のベテラン職人が多数在籍しており、軽量鉄骨などの下地工事からクロスの仕上げ、グリストラップなどの専門的な設備工事まで一括して対応できる総合力が特長です。
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