居抜きでも「スケルトン返し」は必須?費用相場や原状回復との違いを解説

皆さんこんにちは。

愛知県名古屋市を拠点に内装工事を手掛けております有限会社コーシンです。


賃貸契約の解約や店舗の移転を検討する際に、「スケルトン返しにはどのくらいの費用がかかるのか」「居抜きで借りたのに全部壊さないといけないのか」など、疑問や不安を抱えている人もいるでしょう。退去時の解体工事は、数百万円単位のコストがかかることも珍しくなく、経営者にとって大きな悩みとなります。


実は、「スケルトン返し」の義務は契約内容によって解釈が異なり、交渉や「居抜き譲渡」を活用することで、高額な工事費用を大幅に抑えられる可能性があります。


この記事では、スケルトン返しの基本的な意味や原状回復との違い、解体費用の相場、そして負担を回避するためのポイントについて分かりやすく解説します。退去費用を安く抑えたい飲食店オーナー様や、オフィス移転をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。


■スケルトン返しとは?



店舗やオフィスの退去時によく耳にする「スケルトン返し」。非常にコストがかかる工事ですが、どこまで撤去すべきかは契約内容や貸主の意向によって異なります。トラブルになりやすいこの言葉の意味を正しく理解することは、思わぬ高額請求を避けるために重要です。


・何もないコンクリートの箱

「スケルトン」とは、英語で「骨格」を意味します。建築用語では、内装や設備、天井、壁紙などをすべて解体・撤去し、建物の構造体(コンクリート)がむき出しになった状態を指します。つまり「スケルトン返し」とは、借主が設置した厨房機器やカウンターだけでなく、床の下地や天井裏の配管、エアコンに至るまで、室内を空っぽの状態にして貸主に返却することです。一般的に、次のテナントが自由にレイアウトを決められるため、貸主側にはテナント募集がしやすいというメリットがあります。


・「原状回復」と何が違う?

よく混同されるのが「原状回復」です。これは本来「入居時の状態に戻す」という義務を指します。もしあなたが何もないスケルトン物件で契約し、内装工事をして開業したなら、退去時にすべて解体してスケルトンに戻すのが原状回復です。しかし、前のテナントが残した設備がある「居抜き物件」で入居した場合、入居時の状態は「設備がある状態」です。この場合、原状回復=スケルトン返しとは限らないため、用語の定義や違いを明確にしておく必要があります。


・居抜き入居時の注意点

最も注意が必要なのは、居抜き物件で安く開業した飲食店などのケースです。入居時に設備があったとしても、賃貸借契約書に「退去時はスケルトンに戻すこと」という特約や条項が記載されていると、入居前からあった造作(内装や設備)も含めて、すべて借主の負担で解体しなければなりません。居抜きだからといって安心せず、契約書の原状回復の範囲や特約事項を事前によく確認し、不明点はオーナーや不動産会社に相談することが大切です。


》スケルトン店舗の内装費用はいくら?坪数別相場を解説


■解体工事にかかる費用の相場



スケルトン工事は、単に壁や床を壊すだけではありません。大量に出る産業廃棄物の運搬・処分費用や、周囲を保護する養生費などが含まれるため、工事費用は高額になりがちです。資金計画で失敗しないためにも、一般的な相場の目安と、金額が上がってしまう要因を把握しておくことが大切です。


・坪単価は3万〜5万円が目安

業態や物件の広さによりますが、一般的な飲食店のスケルトン戻し工事の相場は、1坪あたり3万円から5万円程度と言われています。例えば20坪の店舗であれば、60万円から100万円前後の費用が発生する計算です。ただし、ただの事務所やオフィスなど、厨房設備や個室の間仕切り壁が少ない物件であれば、解体する部分が少ないため、坪2万円〜4万円程度とやや安くなる傾向があります。


・費用が高額になるケース

相場よりも見積もりが高くなるケースには明確な理由があります。例えば、エレベーターがない2階以上の店舗では、廃材を手作業で搬出する必要があるため人件費が増加します。また、個室が多い居酒屋や、焼肉店の無煙ロースターなど特殊な設備がある場合も手間がかかります。さらに、古い建物でアスベスト(石綿)が含まれていると、特殊な処理が必要となり、追加費用が大きく発生する可能性があります。


■契約書の特約と回避の可能性



「契約書にスケルトン返しと書いてあるから、絶対に壊さないといけない」と諦めるのはまだ早いです。貸主(オーナー)にとってメリットがあれば、交渉次第で免除される可能性もあります。退去コストを最小限に抑えるための選択肢と、契約内容の確認ポイントを見ていきましょう。


・よくある特約の記載例

まずは賃貸借契約書の「特約事項」や「原状回復」の項目を確認してください。「借主は、本物件をスケルトン(躯体現し)の状態に復して明け渡すものとする」「入居時の状態にかかわらず、内装造作を全て撤去すること」といった文言があれば、原則として解体義務があります。特に居抜きで入居した場合は、この特約を見落としていると退去時にトラブルになりやすいため注意が必要です。


・「居抜き譲渡」で解体を回避

スケルトン返しを回避する最も有効な手段が「居抜き譲渡(造作譲渡)」です。今の内装や設備をそのまま次のテナントに引き継ぐ(売却する)ことで、解体工事自体が不要になります。借主は数百万円規模の工事費が浮き、さらに造作の売却益が得られる場合もあります。貸主にとっても、人気のある内装であれば次の入居者が決まりやすく、空室期間(空家賃)をなくせるというメリットがあります。


・貸主への交渉ポイント

居抜き退去を認めてもらうには、貸主への交渉が重要です。「解体するよりも、この内装を残したほうが次のテナントが入りやすい」という具体的メリットを伝えることがポイントです。閉店が決まったら、解約通知を出す前に不動産会社や内装のプロに相談し、後継テナントを見つける準備をしてからオーナーに打診すると、スムーズに合意を得られる可能性が高まります。


■失敗しない解体業者の選び方



解体費用は、依頼する業者によって数十万円単位で差が出ることが珍しくありません。言われるがままに契約して損をしないよう、業者選定の仕組みや、信頼できるプロを見極めるための視点を持つことが重要です。


・指定業者か分離発注か

ビルや商業施設によっては、オーナー側が指定した業者でしか工事ができない「指定業者制度(B工事など)」の場合があります。この場合、相場より割高な見積もりになる傾向があります。一方、借主が自由に業者を選べる「分離発注(C工事)」が可能であれば、複数の業者から見積もりを取って比較(相見積もり)することで、適正価格で請け負ってくれる業者を見つけることができます。


・内装・解体のプロに相談

解体工事は「ただ壊すだけ」ではありません。配管の処理や近隣への騒音対策、廃棄物の適正処理(マニフェストの発行)など、専門的な知識が必要です。安さだけで選ぶと、共有部分を傷つけたり不法投棄されたりと、後でオーナーから損害賠償を請求されるリスクもあります。内装工事の実績が豊富で、建物の構造を理解している信頼できる専門業者に相談・依頼するのが安心です。


■まとめ



店舗等の退去時に大きな負担となる「スケルトン返し」。 「原状回復」との違いや契約特約を正しく理解し、「居抜き譲渡」の可能性を探ることで、高額な解体費用を大幅に抑えられるケースもあります。


まずは賃貸借契約書の条項をよく確認し、貸主側と早めにコミュニケーションを取ることが大切です。万が一解体が必要になった場合でも、安易に決めず、適正価格で施工できる実績のある業者を選定することが、金銭的なリスクやトラブルを回避する鍵となります。正しい知識と事前準備で、納得のいくスムーズな退去を目指しましょう。


■スケルトン物件の内装工事・新規出店のご相談は有限会社コーシンへ!



今回の記事では退去時の「スケルトン返し」について解説しましたが、移転や新規出店で「スケルトン物件」から新しいお店を作る際は、ぜひ有限会社コーシンにご相談ください。


当社は、何もないコンクリートの状態(スケルトン)からの店舗・オフィス内装工事を得意としています。 退去や移転は大変な労力を伴いますが、新たなスタートとなる新店舗の準備は、希望に満ちた大切なステップです。「このスケルトン物件で、予算内でどんなお店ができる?」「設備や配管はどう通す?」といった専門的な疑問にも、内装のプロとして親身にお答えします。


解体や原状回復を終え、新しい物件での「理想の空間づくり」を始める際は、ぜひ私たちにお任せください。現地調査やお見積もりは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。


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